最近の調査によると、ベトナムとインドの日系企業の半数以上が国内事業の拡大を計画しており、中国への依存を減らす兆候を示している。コロナ禍により露呈した中国を含む生産網の脆弱性から、日本当局はサプライチェーン多元化のための対策として企業支援を行なっている。
人材事業大手パソナは、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の感染拡大による影響などを測るため、海外人事状況に関する調査を実施した。アメリカ、カナダ、香港、韓国、台湾、タイ、ベトナム、シンガポール、マレーシア、インドネシア、インドの11カ国・地域にある日系企業現地法人818社が回答した。
多くの国・地域で「事業規模を拡大する」が多数となり、なかでもベトナムとインドでは回答企業の半数を上回った。中国に続く生産拠点を設置するいわゆる「チャイナプラスワン」の動きが、今後も活発化すると見込まれている。国家安全維持法などに見られる中国共産党による自由への侵害など、通商環境のネガティブな要素が続く香港では13%にとどまり、慎重姿勢が示された。
各国・地域拠点の業務や機能のあり方は「現状維持」が67%だった。しかし、中共ウイルスの感染拡大の影響により渡航制限が行われていることから、既にある海外拠点に地域統括機能を新たに追加するなど、現地機能を強化する方針へと移行する企業も少なくないという。
日本貿易振興機構が昨年12月に発表した「2020年度 海外進出日系企業実態調査」によれば、景況感を表すDI値(営業利益が改善する企業の割合から、悪化する割合を差し引いた数値)は全体でマイナス40になり過去最低を記録した。しかし、こうした厳しい状況の中でも、インドとパキスタンでは、過半数の企業が事業拡大意欲を保った。インドではそのうち84.2%の企業が「現地市場での売上増加」を、パキスタンでは73.9%の企業が「成長性、潜在力の高さ」を拡大の理由だと回答した。
ベトナム、バングラデシュ、インドでは、通商環境の変化による業績へのプラスの影響が10%を超えた。ベトナム、バングラデシュの回答結果からは、米中貿易摩擦による両国への生産シフトがプラスに働くとする回答が多いという。
インドでは、中国から同国への生産シフトによるプラスの影響に加え、中印関係悪化を背景に、中国製品のインドへの流入が減少することによる日本製品購入増などのプラスの影響があるとする回答が目立ったという。
1月28日、日本の参議院本会議で、中共ウイルスの感染拡大防止の強化などのための令和2年度第3次補正予算が可決、成立した。経済産業省の資料によれば、日本企業の中国撤退を支援し、サプライチェーンの強靭化・多元化を図るため2225億円を計上した。
経済産業省は、「生産拠点の集中度が高く、サプライチェーンの途絶によるリスクの大きい製品や国民生活に重要な製品等について、国内増産等に寄与する設備投資を行う事業者や、海外生産拠点の多元化に資する設備投資を行う事業者に対する支援を継続する」と説明している。
財務省が発表した2020年12月対中貿易は、輸出が1兆5567億円でプラス10.2%、6カ月連続の増加だった。輸入は1兆5686億円でプラス1.8%、2カ月連続の増加だった。対中貿易赤字は10カ月連続で続いている。
(佐渡道世)
転載大紀元 エポックタイムズ・ジャパン
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